何もしてないのに-5キロ <2>
深夜の駅・・・。
ポツンと立っている女の子。
田舎の駅なので、Mちゃんの存在はすぐにわかった。
「あ、俺・・・コブシやけど・・・。」
振り向いたMちゃん。
緊張のご対面。
(めっちゃ可愛い!)
ブサイクだった時の事も想定していた私の心配など、ぶっ飛ばすくらいの可愛さだった。
間違いなく、私が今まで出会った中で、ぶっちぎりに可愛い!
本当に、ツレに感謝した。
私は試合が終わって間もないので、顔がボコボコでモンスターのように腫れ上がっていた。
「俺、試合終わったばっかりやから、顔ボコボコやで・・・。」
「そんなん気にならないよ、それより体は?」
Mちゃんはよっぽど私の事が心配だったらしく、連絡のつかない3日間、家の近くまで見に来たらしい。
「コブシちゃん!」
そう言って、Mちゃんはモンスターみたいな顔の私に、抱きついてきた。
「もぅーっ!本当に心配だったんだから・・・。」
なんか、初めて会っているんだけど、1ヶ月話しをして、Mちゃんの中身は、だいたいわかっている。
でも、顔を見るのは初めて。
なのに、いきなり抱きつかれている。
なんか、変な感覚だった。
「コブシちゃん、今日、泊まっていい?」
「え・・・あ・・・べ、別にかまんけど、部屋汚いよ。」
「私が掃除してあげる!」
初めて会って、この急転直下の展開。
前にも書いたけど、私は試合の1ヶ月前から禁欲している。
正直、我慢できる自信がなかった。
途中、コンビニによって、飲み物等を買った。
はたから見たら、とても初めて会ったカップルとは思えないだろう。
それくらい、Mちゃんは積極的に私に密着してきた。
もうこの時点で、私は我慢できないなと自覚していた。
まぁ、Mちゃんも泊まるという時点で、そのつもりなんだろう。
部屋に入ると、先ほどまで、キャッキャッ言っていた二人がモードが変わったかのように静かになった。
やっぱり、Mちゃんもそのつもりで来ていたのか、私が抱き寄せると、すんなりしなだれかかってきた。
そして、当然のようにそういう関係になった。
「今日、安全日だから、中でいいよ。」
Mちゃんの言葉で、私は初めて着けずにしてしまった。
その日から、Mちゃんは私の家で1週間ほど泊まっていた。
家の掃除やら食事、夜は毎晩❤。
そして、ある晩、Mちゃんの言葉で、私はどん底に突き落とされる事になる。
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