わが生涯に一片の悔い無し by ラオウ <1>
私は16歳で、ある施設に預けられた。
そこの先輩のDさん。
Dさんは、19歳で、私と同じく16歳でこの施設に来たらしい。
この施設で、16歳という年齢で預けられるのは、そうそうなかった。
Dさんは、相当悪かったらしく、中学生の頃からヤクザの事務所に出入りしていた。
ヤクザになるのを心配した両親が、この施設に無理やり連れて来たらしい。
なるほど、言われなくてもそんな空気を醸し出していた。
同じ16で連れて来られた私が気になるのか、何かと目にかけてくれる。
「おーい!コブシ行くぞ!」
私の直属の上司でもあったDさんに、今日は休みみたいなもんやからと言われていた。
今日は、施設を退所する人の引っ越しの手伝いしか仕事がなかった。
数人で片付けも一段落して、皆で缶コーヒーを部屋で飲んでいた。
「コブシ、これ知ってるか?」
Dさんが、怪しげな物を私に見せた。
見ると、獰猛な虎が描かれている小さな容器だった。
「いや、見たことないっす!」
私がそう答えると、Dさんはいたずらっ子のように、ニヤリと笑って、こう言った。
「コブシ、これな、中国の強精薬でな、チンコに塗ったら、即、ビンビンなるんやで!」
手に取っていぶかしがる私。
「あっ!お前信じてないやろ!ちょっと待っとけ!」
私の疑い深そうな態度を見て、Dさんはその薬を持ってトイレに入った。
「おい!コブシ見てみろ!」
トイレから出てきたDさん。
股間を見て驚いた!
ズボン越しに見てもビックリするくらい、股間がギンギンになっていた。
「す、す、すげーーーっ!」
私は、すっかり信じて、その薬を持ってトイレに入った。
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